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本格的ながれき撤去作業の再開に向けて準備する作業員ら=埼玉県八潮市、2025年2年2日午前10時10分、稲垣直人撮影
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 埼玉県八潮市で県道が陥没してトラックが転落した事故は2日昼時点で、重機による準備作業は続いているが、本格的ながれきの撤去作業は前日夕方から中断されたままになっている。消防は、地下からの水の影響で崩落などの二次被害の可能性を否定できないことから、当面は撤去作業の再開は難しいと見ている。

 関東地方は2日、気温が下がり、雨天になった。八潮市の気温は午前9時現在3度で、雨が断続的に降っている。現場では2日朝から、ショベルカーなどの重機やトラックが行き来し、土砂をすくい上げたり土囊(どのう)を出し入れしたりする作業を続けている。

 消防によると、現場で行われているのは、がれきの撤去に向けた準備作業。地下から水が出ており、軟弱な地盤でもあることから、穴の内部の安全性が確認できていないという。二次被害につながりかねないため、運転手の救出に向けたがれきの撤去作業は中断が続いている。

 消防や県などは1日朝、運転手の救助活動を進めるためのスロープ(傾斜路)を完成させ、重機を使ったがれきの撤去作業に本格的に着手した。

 しかし、穴の内部で水の流れが強まり、崩落の危険性があることなどから、1日夕にがれきの撤去などを中断した。

 陥没した箇所には土砂や岩のほか、コンクリート製の箱形の構造物があるという。救助を進めるには、これらを取り除く必要があるが、地下水などがしみ出して作業の妨げになっている。

 事故発生から6日目を迎えたが、救助活動は難航している。運転手の70代の男性が閉じ込められていた運転席は土砂に埋もれて確認できていない。

 消防や県などは、二次被害を防ぐために土砂崩れを監視するセンサーを新たに設置し、慎重に作業を進める方針だ。

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